ダンスフロアの向こう側

DJ GIRLFRIENDの告知や考えていることなどをまとめています。

202301

 

 

見たもの

THE FIRST SLAM DUNK

slamdunk-movie.jp

スポーツの描写で息を呑んで呼吸を止めてしまった、凄い映画。

試合部分はほぼ全編3DCG。アニメーションへの拘りやカメラの動かし方、はたまたスピード感のコントロールまで気持ち良い。球技のスピード感を映像に落とし込む技術はピカイチだと思う。それでいて疲れ切らない程度に回想を挿入する考え方も良く練られてるなと思う。

そして最後のシーン。引き伸ばした尺での分かりやすい試合展開の後の実尺試合シーン。本当にたまらない。目まぐるしいスピードで試合が進むのを見せられ、息を止めるしかない。
ここのための2時間だったと思わせられるほど凄みのある映像だった。

強いて言うのであれば回想のダレと作画の変化が激しいせいか、回想が少し浮いてる感じがするところか。ドラマを語る上で回想は重要なので、そこが説明臭くなってしまってるのは制作上の難しさを感じる。

余談だけど木村昴桜木花道は本当に良いキャラしててナイスキャスティング。

 

ケイコ 目を澄ませて

happinet-phantom.com

この映画では、劇的な問題解決も痛快な勝利もない。だからこそボクシングに打ち込むケイコをしっかり見つめることができるし、そこから自分のことを考えることができるなと思った。

殆ど喋らないケイコと殆ど劇伴のない音響効果が、より一層ものが聴こえてる世界を際立たせてる感じがする。そこから終盤での日記のモノローグが良かった。
耳が聞こえていようがいまいがケイコがケイコなりにきちんと世界を知覚してて、そこから葛藤したり考えたりしてるんだなと当たり前の事にハッとさせられた。
最後のモノローグで序盤から中盤にかけてのケイコの気持ちの機微が彩られていくのがめちゃくちゃ良かった。

特に好きなのは会長と2人でボクシングのフォーム練習をするシーン。モヤモヤしたり悩んだりするのをボクシングに昇華してて、試合に勝とうが負けようがこういう時間が大事だよな......と思いながらグッときた。音楽を必死に聴いてつまみをいじっていた昔の自分を思い出した。

エンドロールの街、綺麗だったな......

 

君の名前で僕を呼んで(吹替版)

happinet-phantom.com

20歳くらいの頃に字幕版を見たけど、津田健次郎入野自由という超豪華声優で吹き替えがされてるので吹き替えを鑑賞。マジでいい映画だ.......20のときよりもオリバーに感覚が近くなっているのもありちょっと泣きそうになってしまった。

エリオの自分の性愛の心に対して醜いと思ってしまう気持ちもわかるし、オリバーの傷つけたくないから過剰に距離をおいてしまうのもわかる。でも全部の気持ちが優しいの最高だな......と思う。夏のみずみずしさと寂しさが両立されているのも良い.......

主題のお互いの名前でお互いを呼ぶの、僕は他人から呼ばれる呼称によって割とペルソナが変化していくタイプの人間なので凄くわかる。恋などもう殆どしていないけど、好きな人から唯一無二の呼び名があったらそれはどれほど嬉しいんだろう。

年取ったからかエリオの父親の言うことがわかってきたのも良かった。お互い善良でありたいね。

 

100分deフェミニズム

www.nhk.or.jp

知り合いが楽しみにしてた旨のツイートを見て視聴。結果としては見てよかった!第一次〜四次フェミニズムの話はざっくりと知ってはいたんだけど、具体的に本を挙げてエピソードを紹介することで点と点を繋ぐような理解が出来てよかった。

特に印象的だったのが入間さんの「心的外傷と回復」についてのお話。フロイトが性的暴行がトラウマの原因となっていた結果を隠蔽して出世しようとしていた話や、心的外傷を回復させるためのプロセスの話とか新しく聞ける話もあってよかった。

でも、それ以上に印象的だったのは入間さんの語り方だった。女性が厳しい目にあっているのをこの四人の中で一番見ている人なんだろうなという、丁寧なのと相反してゆっくりと重く痛みを伝えるような語り口は映像でないと伝わらなかったと思う。その語りの裏にある事実を想像して陰鬱な気分になった。

僕はシスヘテロ男性寄りだと思うけど、だからこそこういう自分が孕みうる有害性については自覚しないとな〜〜と思いました。

 

神々の山嶺

longride.jp

アマプラで視聴。映画館で見てなかったの本当に後悔した。

なんたって音楽と面が良い。ストリングスで心情をゆったりと描きながら、シンセやドラムマシンっぽい音で雪国のリズムとかを描写していくバランス感がたまらない。そしてそこに雪の音や声が入っていってシーンの音が完成していくバランスが本当に良い。

雪国暮らしになったからか寒い環境での体の変化に対して解像度が上がっていたのも結構良かったと思う。純粋に感覚としてわかるので面白い。

少しでも油断したら死ぬけど本当に美しいさまが描かれていて、これは日本よりフランスのほうが上手だろうな〜と言わんとばかりの油絵で描かれたような雪景色が広がっててよかったです。

 

おかえり音楽室 Awitch(NHKプラス)

www.nhk.jp

レギュラー番組候補を募集する企画やってるんすね。挑戦的で良い。AwitchのQueendomにあるような地元との距離感にすごく親近感を覚えていて、アレを聞いてからずっと活動のスタンスが好きです。