ダンスフロアの向こう側

DJ GIRLFRIENDの告知や考えていることなどをまとめています。

20220716-18 お酒・釣り・アンビエント・踊り

このご時世で大規模移動とは如何なるものか、と言われましてもそろそろ旅欲求が爆発しそうだったので三連休関西へ。

社会人になってからというもののバスや鈍行などの過酷な交通手段をメインとして使うことがなかったので行き:昼行→帰り:夜行の大行脚にトライしてみました。一応翌日の仕事も出来るにはできるしいざとなった時は切れるカードだなと思いました。

 

20220716

昼行で大阪へ。なぜ行きが夜行移動でないかというと、前日オールナイトで小袋成彬氏がLIQUIDROOMでパーティをするからです。

ライブに行った時もR&Bとゴスペルに対するリスペクト溢れるサウンドとただ美しいファルセットに感動したものですが、このサウンドを産むに至ったロンドンのバーティとはどんなものなんだろう?と気になり参加。

小袋氏はもともとDJではなかったためなんとなく分かっていた予想内でのプレイだったけど、それと反してMelodiesのメンバーがとても良かった。体からグルーヴ感が溢れ出てるし、ビートマッチや選曲の技術だけではなく初期衝動が残っているかのような素敵な錯覚を受けるなど。LIQUIDROOMはあからさまに大箱だし、もう少し小箱の方が面白いかも。キース回とか行ってみたかった。

大学の先輩と同期と中で駄弁りながら朝。昔アンビエントIDMを聴きながら寝ましょうというイベントを大学内で開いていたことがあって、その頃を今でもたまに思い出すねと懐かしい気持ちに。あれから三年、僕はセミプロやプロの人と共演することが多くなったし時の変化に驚くばかり。3年後はどうなってるんだろう。

 

昼行に乗り大阪へ。4年ぶりくらいに会うフォロワーと居酒屋へ。

日本酒酒場立呑み 仁
06-6345-5233
https://goo.gl/maps/3Ns3bxouThdRipEj8

居酒屋でコースではなく雑に食べ物頼む過程でこんなのあったななんて思い出す。コロナ以前は飲み歩くのが好きだったけど今はクラブに行く時ばかりお酒を飲むようになってしまった。少し話が盛り上がってバーへ行き、取り止めのない話や深刻そうな話もまとめておいしいお酒で流し込む。Twitterにいて職業も何もかも被っていない人と会話をすること特有の心地よさみたいなのがあって、こういうコミュニケーションを取る度旅は良いなぁと思います。何も関わりがないから無責任に話せてしまうのは否めない。

 

夜は大学の先輩のシェアハウスへ転がり込み、焼酎をちびちび飲みながらスマホで音楽を垂れ流す。普段の生活圏が違うと知ってる音楽がてんで違って面白い。

open.spotify.com

 

 

20220717

起きると共にけたましい蝉の鳴き声に夏を感じて起床。大阪から神戸へ。

友達ととりあえず会って遊ぼう、から話が飛躍して釣り初心者二人で釣りに挑むことになった。話飛びすぎてる気がするけどこれくらいの強引さがあった方が楽しい。

関西で釣りといえばleccoさんのイメージだったので事前にお話を聞いてみると、明石周りや日本海側が良いとのことで神戸の初心者でも行けそうな釣り場へ。leccoさんいろいろありがとうございました。

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この釣り場では釣り竿や餌も合わせてレンタルできるらしく、併せて2500円ほどで3時前から5時半くらいまでみっちり釣りをした。釣り場の監視員さんの近くに座ったのが幸いし、釣りのイロハを教わりながら恐る恐る釣りへ。思ったより早く針に魚がかかって焦る。

最初の方は小さなエビをたくさん溶かしたペースト状の餌にさえ触る抵抗があったけど、いざ釣れるとなるとそうもいかない。自分の手で魚を触って、餌を詰めて、釣って......ということに慣れて良い意味でお互い勢いついていく。

途中口の奥まで針が突っかかってるのをパズルを解くように外したり、元気がなくなった魚を急いで外したりしてるうちに魚に命があることが実感としてわかっていく。水族館やスーパーで見るのとは違い、きちんと握ってあげないとあちらの筋肉に振り解かれて逃げられてしまうし人間と同じように血が流れる。当たり前のことを手に触れる血の鮮やかさや反発する筋肉の力強さから現実のものとして受け入れていく過程がとても良かった。

レジャーとして釣りをしに来ていた中、「魚は食べるために釣るんだよ」と現地の人に言われ急遽クーラーボックスを購入。友人宅にて慣れない中、内臓を取り除いたりうろこを取り除いたりしてきちんと命を殺して食べてる実感が湧いた。

普段お金を払ってご飯を食べてるけど、この裏にはこう言った生き物を殺す行為が沢山あって成り立ってるというのは想像できても体験してみないとわからないなと思う。純粋に瀬戸内海が綺麗だったし、海にずっといることでトビウオや鷺を見ることもできたのでとても満足。釣りオススメです。

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釣りにて疲労困憊してたのでろくに酒を嗜むこともなく泥のように就寝。朝から釣りに行くわけがなんとなくわかった気がします。

 

20220718

9時ごろ起床。飯をパパっと済ませ京都駅周辺へ。

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今回のビッグイベント、ブライアンイーノ展です。大学の同期と合流し中へ。まず入ってみて思うのが、この会場でよくこの音場を作り出そうと思ったなということ。

想像以上に残響が少ないうえ、GENELEC製の小型スピーカーが様々な場所に配置されているので意匠通りに音の空間を作り上げることが出来ているのではないでしょうか。途中インスタレーションとして使われるモニターも発色がとても良いものが使われており、黒い部分はきちんと闇に溶けて見えなくなる。平面で幾何学的な図形を描く際これはとても大事ですね。展示こそ少ないですが2000円くらいのコストはかかっていると思います。

作品としてもめまぐるしい変化を伴うものは少なく、ゆっくりとじわじわと変化していくものばかりなので少し目を離した隙に全く違うものへと変化していく感じがあり楽しい。さらには音響効果や暗い会場も相まって時間間隔が狂い、ぼーっとしているうちに目の前の色彩が変わっててだいぶバグった気分になります。

この前日に釣りをして海を見た時もそういった気持ちになることがあったので、自然のありようとかとむずびつけて楽しむことが出来ました。釣りをしていてもいつの間にか陽の角度が変わっていたり潮が満ち引きしていたりと、その場にずっといるはずなのに大きく変化していることが多く面白かったのを思い出します。もちろんそうやってなだらかな変化を感じる面白さがあるのに加え、人間の知覚のガサツさみたいなのを感じ、ああここ見逃してる、ここも見逃してる......と自分の視覚聴覚のダメな部分を愛でてあげる感じ。

無作為な変化自体を作ろうとしていたのも勿論あると思うのですが、時間軸を引き延ばして様々なエッセンスをまき散らすことで人の知覚がどこを抜粋するのかも楽しんでイーノは作ってるのやもしれない......というのが僕の個人的な考察です。

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少し気になったのが、とりわけ空間音響の気が強かった"The Ship"で多くのお客さんがじっと座ったまま聞いていたこと。音が空間の様々な部分に散りばめられており、首を傾けるだけで定位感が激しく変化するのでじっと聞くには勿体ないなと考えながら首を色々な方向へ向けていました。大学の最初のほうの授業で音の定位に対する話をされたことがあるのですが、本当に全然聞こえが違うのでこれから行く各位はうろちょろしてみてください。僕たちはLRの2chにミックスされた録音音源に慣れすぎているし、もっとライブやクラブでの場で音が響く面白さにフォーカスしても良い。

 

旅程を終えクルーの黑豆君も交え食事。いろいろ気力がなかったのでうどん。そこからは夜のMETROでのパーティに向け展示を見に行く。

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ホテルにしては階層が低く、デザインされているなという印象。入ってすぐのところに作品がたくさん置いてありました。この展示での作品は実験的な部分が多く、ちょっと考えたことがあるかもしれない......というようなことを手を動かして具現化している感じがあるのでとても入りやすいと思います。

中でも、環境音をアルゴリズムで処理してメロディーっぽくする展示がとても面白かった。僕らがサンプリングやカットアップでやってることを環境音でやるってあまり考えたことなかったし、思ったよりメロディー然としてた。おすすめです。

 

その後Meditations(今回も閉まってました、また行きます)やカフェなどを巡り3人で雑談。話していく中で、そういえば俺は音楽に関しての講義も受けてたんだな......と図らずも大学で得た様々なリテラシーに感謝することに。様々な混ざり合っている要素の中でも知っていることばかり目につくのが人の定めだし、知っていることを増やしてどんどん物事の分解能を上げていきたい。これは音楽やクラブに限らず。

 

黑豆君と別れ二人でメトロへ。

www.metro.ne.jp

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今回のこれは本当に来てよかった。オープンのミニマルなテクノなどからフロアの熱気が上がっていき、Synth Sistersのシンセの音の美しさと共に酒を飲む。そこから真鍋大度氏が滑らかに四つ打ちからベースラインを経てグライムまで駆け抜けていく。極めつけはalucaさんの爆発するかのようなDJ。

音が気持ち良いという原初の体験に飲まれていき、結局友人ともはぐれたし人と話すこともなかった。でもそれで全然良いな、と思える居心地の良さがあり本当に最高だった。そして相変わらずレモンサワーがうまい。

aluca氏のDJが終盤に差し掛かったところで夜行バスの時間が近づき、流れるように一人退出。最後に烏丸線の駅から京都駅まで歩く中で、京都の空気を吸って忘れないよう覚えておく。また来ます。