ダンスフロアの向こう側

DJ GIRLFRIENDの告知や考えていることなどをまとめています。

202110

某日

 引っ越しが忙しく、全く書き進められてなかった。無念。なんか忙しいと真っ先に飛ぶのがこの日記作業なので、隙間時間を見つけつつ書いていきたい。日々の機微がが一番忘れやすい。

 

 引っ越し前日は数少ない友人と福岡をドライブした。好きなものをちゃんと言えるようになった方がカッコ良いよという話をよくするんだけど(オタクがオタクにする話なんだからこれくらいのこだわりは多めに見て欲しい)、彼なりのこだわりややりたいことなども少し聞けて面白かった。その中でも、やってみないと分からないことがあるし、勇気を出して見ないと見えないものってあるよねという話を聞いたのが印象に残った。

印象がなんとなく嫌いであってもその人と話してみないとその人のことは理解できないし、現場に行かないと現場のことは理解できない。この世は体験しないと分からないブラックボックスだらけである。そのブラックボックスを開いてなお嫌いなのか、最初から嫌いと言い続けるのかでは天と地ほどの差がある。その場の判断や直感というのも大事だけど、世界の見えていない部分への想像力は忘れたくないと思う上京前夜だった。

 

某日

上京。素早く引っ越し業者がやってきて、色々と手続きを終わらせる。上京即会いにきてくれる友人が3組もいて、福岡とは違った人の密度に早速くらくらしながら眠る。

最近はKID FRESINOのEazy Breezyをずっと聴きながら過ごしている。何かの研究によれば価値観の同じパートナーや仲間がいるというのは幸福度に直結するほど重要な要素らしい。何かが直向きに好きな友人や仲間がいて、音楽が好きで、面白いものをきちんと面白がることが出来たら俺も大丈夫だろうと思う。

 

 

某日

会社への出勤を毎日している。絶望的な満員電車に長時間詰められることもなく、所属部署の人たちとは適度にそりをあわせ、半年前に入った一応同期の方々からの過剰なサポートを受け何とか毎日定時まで動いている。こう考えると自分がサラリーマンになる未来は一切想像出来ておらず、思いの外平凡な生活に安心と戸惑いを感じる。

 

某日

暴力的に可愛いイベントにお邪魔。人混みが久々すぎて入場即アリーナの人混みに人酔いしてしまった。クラブは好きだけど人混みはやっぱり苦手。

福岡のクラブにいる時のぽつぽつとしか話しかけられることがないシチュエーションと対照的に、イベント中に話しきれないくらいの知人やフォロワーがいてビックリした。良くも悪くも人が多すぎる。俺もただの客ではなくガルフレになってしまう。そう言った面白さと不自由さが同居しているので自分の活動が自分のクラブ体験にプラスになっているのかはいまいち判断をつけられずにいる。

 

新木場Agehaのディズニーランド感に子供っぽくワクワクしたり、サウンドシステムや照明、アリーナのLEDビジョンの明るさに驚いたりしたものの、自分の目指す場所はこう言ったサブカルチャーイベントではないのだなと何となく感じた。mograにふらっと言ってた頃の前に行けばいくほど戦場のようになっていくダンスフロア上の闘争をやりたい、自分を削って踊る中でしか得られない境地がある、そう言った場所を目指したいと京都の目的地を再確認。

若干のミスマッチはあったものの出演者各々やはりプロで楽しかった。お世話になったりした方々のアクトを応援しに行けたのも良かったし、DJさんにご挨拶しようとして通りかかったBOXでDE DE MOUSEさんがバイブスを振りまいている様が見れたのもよかった。

シクレのTAKU氏も嬉しかった。彼の曲を憧れ、彼のDJを聴きたがっていた頃から曲の聞こえ方がだいぶ変化していると思うけど、それにしても細部に込められた欲望や願いの凄い曲の数々をクラブで聞けて、こうやってDJを始める前の自分の踊りを少し思い出せた。何も知らないけど楽しかった、当時はそれで良かったし今でもそういうことがあっても良い。

そして、Club Asia Friendsブースのタイムテーブルのハマり具合と周りのバイブスの美しさに脱帽。統一感は無きにしも非ずな具合で各々自由に踊っていて美しかった。Asiaにもいずれお邪魔したい。朝焼けを見ながら聞くブッダハウスさんのDJはロケーションと潮風も相まって心地良かった。ビール何杯でも行けてしまう。

 

行きは知人と電車で向かったのだけど、その際に「音楽との出会い方もデザインされ始めてる」という話をしたのが印象に残った。音楽の量も増えてきた、サブカルチャーももはやポップカルチャーに、アンダーグラウンドかと思えたラップバトルもYouTubeで沢山見れる時代になった中、オンリーワンでプライスレスな自分の音楽を聴くためにはどうしたら良いんだろう?ずっと考えている。

 

某日

あかつきにお邪魔した。そもそもがアイドルマスターが大好きな人たちのアニソンリミックス活動からクラブに行き始めたので、バイブスや選曲、雰囲気にかなりルーツを感じて懐かしい気持ちになった。

大学入って少し経った頃にmogra現地で撮影された盛り上がってる動画を見たりしていた身としては、こうやって現場で盛り上がるオタクたちを見ていると本当に東京に来たんだな......と実感する。もともといちアニソンリミックスファンとして片思いフォローしていた人たちに挨拶されるのはまだ慣れない。一年半で自分の周りが目まぐるしく変わって行く様に驚く。

イベント後は一緒に会場にいたお客さんと居酒屋で少し飲む。久しぶりの居酒屋で大分酔いが回っていたけど、こちらへ越してきたことを割と歓迎されているようでありがたい話だ。各々やりたいことやリスペクトしたいことはあって、その合流地点でうまくやっていけると嬉しい。

 

某日

早稲田茶箱へ。warahouseにお邪魔。

途中からの参加だったが、茶箱というロケーションの面白さや早稲田近辺の街の雰囲気、そしてAPOP系イベントにはない中庸に近いものを目指す姿勢などがマッチしていて文化が垣間見えたのがとても良かった。

また、主催の方々とやっと会えたのも良かった。僕自身ポップスの中でもマイノリティな趣向をしていることもあり、同世代に同じ音楽が好きな人間がいないことに対する孤独感にはとてもシンパシーを感じていた。Twitterではとても大人しいイメージだったが、会うとしっかり同世代として話が出来て安心。正直僕はバイブスや音の機微を感じ取る感覚だけでプレイしてるタイプなので、彼のようにきちんと知識を体系的に学んでいるイメージの方とお会いするときは未だに緊張する。自分の立場は自身の知識や能力には不相応だとつくづく思うばかりだ。

飲酒解禁ということで久しぶりに打ち上げへ。日本酒をたらふく飲み綺麗に出来上がってしまい反省。cigare氏を家に泊め、年上らしからぬ恥ずかしい振る舞いをした記憶だけが少し......酔うと宇多田ヒカルさんと星野源さんの話しかしなくなるのは我ながら良くないと思う。もう少し音楽を聞こう。

 

翌日は二日酔いをなんとか回復させ、温泉にドライブ。温泉や銭湯などで電子機器を使うことは禁じられてるし、意識をぼーっとさせることに適してるので能動的に何もしないが出来るのはとても助かる。どれだけ貧乏になっても風呂通いはやめられない。

 

某日

最近はクラブの人疲れや酒疲れでダウンすることが多かったので、土曜日が完全なオフなのは珍しい。調子に乗って金曜夜は大学の先輩と食事に行った。顔や和服などでしっかりイメージが付いているからこそ、きちんと僕の発する言葉に耳を傾けてくれる人は貴重だ。食事に付け合わせる形でワインを飲み、帰りはアイスをかじりながら公園に寄った。

会社は芸術とは縁のない人ばかりだし、典型的な男女観で結婚する人が多い(もちろんこれは悪いことではない、お互いが幸せであればなんでも良い)ので、こう価値観や考えてる方向性が向いている人となんとなく話せるのは気が楽になる。自分の考えていることをきちんと固定し、周りの雰囲気に流されず自分の価値観で柔軟に判断することが今後出来るだろうか。生活が安定することだけに満足し、周りに流され凝り固まってしまうのが今はとても怖い。

 

土曜日は投票も兼ねて1人で銭湯へ。夕方だと綺麗に空いており、のびのびと入浴。自炊をし、翌日の選曲や仕込みを行って就寝。

 

 

某日

出演。月あかり夢てらすへ。店員さんがプレイに反応する元気な方だったり、主催とレギュラーのお二人が現場出身ということでパーティというよりオタクの集い感があり数年前のホームを思い出した。いつこのウイルスの脅威が衰えるのか分かったものではないが、SSAのけやき広場で彼らと出くわしたら楽しそうだななどと考える。プレイも各々絶妙に方向性が違い、単なる声優シティポップイベントにならなかったのも良かった。集客はまばらではあったが、配信も多くの人にみていただいたようで開催する意義を強く感じている。

自分のプレイについてはかなり反省点があり、まだ酔いと機械に踊らされていた感じが強い。かけたい客はしっかりかけられたのと、後半はきっちりリズムキープできたので及第点か。今までのプレイを見ても思うが、前半中盤あたりでミスをすると雪崩式にダメになっていくので気をつけないといけない。普段かけない曲も挿入しつつ、自分の趣味や好みを押し出せたのではないかと思う。

時短もやっと解除され、出演者とお客さんの一部で軽く中華へ。ネットでは書けないような少し粘度のある気持ちの話や、声優さんのSNSやお芝居の話で盛り上がり短いながらも楽しい回になった。やはり誰かを崇拝する/推すというのは自分に枷をかける行為であり、その人その人の信仰のあり方があるのは面白い。

私としては、シンデレラの朝を最後にかけられてとても満足している。社会人になり、アマチュアの中でも売れる売れないみたいな話が出てる中で、シンデレラにならなくて良いとプライドを持ちながら生きていくことの大事さを毎朝噛み締めながら日々生活を送っている。

https://open.spotify.com/track/5pVmQtIQcfCiEaqK1sdw8i?si=EOt4DWfjSUaZF-NlzYRFGA

またクラブで、ではなくまた現場で、だったのも良かった。また現場で会い、打ち上げ会場で自分の気持ちを確かめ合うような話をオタクとしたい。