こんばんは。ガルフレです。この度、北海道アニクラ感謝祭 #北アニ 2023の公募に応募し、公募枠として選出頂きました。公募音源はこちらです。
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北アニは去年遊びに行ってそのお祭り感が楽しくて仕方なかったパーティだったので、今回こうしてパーティの一部を作る側に立てるのがとても嬉しいです。
また、僕は去年の10月に札幌在住となり、サブカルチャー系のパーティへの所属がありません。そういった立場から、公募でないと出演できない状況でした。そういった事情から、気合を入れてMIXを作成しています。
人がDJミックスを作成する過程はあまり公になりませんし、公募となるとなおさらです。また、普段のMIXと異なりコンペである公募には、公募ならではの対応が必要だと個人的には考えています。
この記事では、いつか公募に応募しようと考えている人たちの参考になればと思いできる限り詳細にその過程を書き記しておきます。
※この記事で書かれているのは個人の見解です。また、ここで語られるアニクラ像は特定の人物・シーンを指していません。
MIXするときに気をつけたこと
個人的にアニクラで大事にしていることは、
・ムードを壊さないように展開させること
・お客さんが聞きたい部分を聞かせてあげること
の2つだと考えています。
イントロが特徴的で気付きやすいものであればイントロを(Nightwearなど)、逆にイントロよりも歌いだしから始まったほうが聴きやすいものはサビからイントロを混ぜ始めて間奏をスキップするスタイルで繋いでいます。
個人的に、Baton→続く話では、間奏をスキップすることでBatonのエモーショナルな雰囲気を引き継ぐことが出来て満足しています。
選曲へのスタンス
北アニだからこそ意識したことは以下の◯点です。
①トレンド感のあるアニソンで勝負する
②好きなアニメ・アニソンを軸で勝負する
③自分のスタイルを崩さず勝負する
①トレンド感のあるアニソンで勝負
去年北アニへ遊びに行き、各々が一年の総決算を行っている印象を受けました。特に印象的だったのが、ぼっち・ざ・ろっくの最終話が盛り上がっているときに「星座になれたら」が4回流れたこと。年末年始の多幸感ある雰囲気のおかげか、4回全てで大盛り上がりした記憶があります。
今年で良かったアニメ・秋クールで盛り上がったアニメの曲がガンガンかかり、今年の思い出話に花が咲くようなDJがしたいと思い、今年/去年の曲を軸に選曲しています。
②好きなアニメ・アニソンを軸で勝負する
所謂アニクラはほとんどの人がコンテクスト(文脈)でDJをする世界です。音楽が繋がれること自体に盛り上がるのではなく、お客さんはアニメやキャラクターの姿を想像して盛り上がります。
アニメを見ていれば見ているほどDJの熱意が向上し、DJの熱意が向上すれば向上するほどDJの技術は洗練されていく、そういった現場を山のように見てきました。だからこそ、できる限り自分の好きなもの・当日流したいものを軸にするよう心がけました。
③自分のDJスタイルを崩さず勝負する
同率2位の皆さんのDJを聞いて見て改めて実感しましたが、僕がBPM早めのロックアニソンDJで勝負すると技術面・選曲面共に負けます。得意分野ではありません。
ある程度の挑戦は必要ではありますが、競合する相手と真正面からぶつかり合って技術で押し勝つ、という戦法は避けようと思っていました。
以上3点を踏まえ、
構想段階では
おどる ひかり/Cody・李(Lee) - 「江戸前エルフ」ED
JUMP IN/めぐみん, ゆんゆん -「この素晴らしき世界へ爆炎を」ED
ラプス/Homecomings -「キミは放課後インソムニア」ED
星屑テレパス OP/ED
more than words/羊文学 - 「呪術廻戦」ED
灯火/nonoc - 「スパイ教室」OP(1クール目)
everything everwhere/millet - 「葬送のフリーレン」ED
あたりを軸に作れたらと考えていました。
制作過程
制作のフローは主にこういった感じでした。
①ラフで良いのでとりあえず取りきった音源をリリースする
②自分で聞く
③(自分でわからなくなったら)道外の方数名に音源を聞いてもらい、アドバイスを聞く
④以後①〜③の繰り返し
30分尺での展開は30分聞かないと理解できない、というのを過去の主催イベントで公募を開催して実感しています。そのため、どれだけ繋ぎが雑でもとりあえずMIXを作成し、それを元に修正点を考えるということを繰り返しています。
結果、3回構成を変更し今に至ります。ボツ音源含めこちらに公開します。
※ボツ音源はラフにミックスしているのでところどころミスがあります。ご了承ください。
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録音前
セットリストを組む前に、自分が良くDJで使っている曲・去年秋〜今期までで好きな曲・アンセムなどを盛り込んだプレイリストを作成しています。
この時点ではどんなDJがしたいのか全然決まっていません。
テイク1
こちらがテイク1。僕が普段やっているスタイルの要である、Drum&Bassっぽいグルーヴから一気にR&Bに落とす部分を展開点としています。この時点で、星屑テレパスEDで締めたいというのは決まっていました。
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自分で気になった部分・知人からもらったコメント
・特に前半節操ないというかガチャガチャしすぎ
・天体図で締めてるのはナイス
・俺も思いつくというか結構「だよね~」って感じのつなぎが多い
・あのね→JUMP IN→天体図、安直すぎるかも
・sumire iro amuretからのドラムン風ゾーン、どう着地させたらいいかわからない
・テーマのことを考えてもっとエゴあった方がいい
テイク2
・どうせなら点と線を軸にしたい→点と線のイントロを他の曲と繋ぐのは難しいので、やるなら一曲目しか無い
・ハーフに落ちる部分を綺麗にできないか?→Drum&Bassから綺麗にビート感のあるR&Bに落ちるFling Posseのトラックを入れています。
・産声とクラブの雰囲気を破壊しないような曲の検討
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自分で気になった部分・知人からもらったコメント
・我ながらアニソンロックDJが全然しっくり来ない
・僕より他の人の方がうまく掛けられそうな曲たくさん入れてしまった......
・ソワレ→ビタミンSUMMER、アンセム過ぎるかも
・JUMP INを入れた瞬間に、そういうR&Bの和モノノリになってしまう、アニメのことを考える感じの雰囲気じゃなくなってしまう
テイク3
コメントを経て、メジャーアニメのEDを多く取り入れ今の形に近づいています。Anytime Anywhereを掛けるときだけBPMを無視してカットインをしているので、同じくEvan Callの編曲したSincerelyを前に流して連帯感を作っています。(2つとも人間の気持ちを知るアニメーションだし......)
青で塗った部分は手応えを感じている部分でした。
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自分で気になった部分・知人からもらったコメント
・BPMが早く落ち過ぎて前半の展開が肩透かし
・JUMP INあたりがBGM感強すぎてカタルシスがない
・前半からsincerelyは綺麗、後半は予想通りの展開すぎるかも
・文脈で勝負するのではなく音で繋ぐDJとして勝ちを狙う方向性がいいかも
本番
前半部分のボリューム感を増し、後半のR&B感を排除して最終稿。産声とクラブのあとに何を掛けるかでずっと悩んでいました。コンテンツ系がアイマスによりすぎているのでヒプマイを入れて調整。
ここで当日21時ごろだったので諦めて提出しました。
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反省点
計画性のなさがクオリティに影響しており、個人的には反省が多いトライでした。以下に反省点を列挙します。
①スケジューリング
提出4日前にやっとテイク1ができてそこからフィードバックや並び替えを行ったので、最終的に録音段階でミスが許されない状態になっていた。また短時間にくり返し聞くことで自分にどんどんバイアスがかかり、正常な判断が出来なくなっていた。
②語彙力の少なさ
普段のアニメ視聴量が毎クール5-7本のため、他のアニソンDJの人たちに比べ圧倒的に手数が少ない。主に2020年以降のBPM170-190帯のライブラリが少なく、Drum&Bassをベースとしたアプローチしかできない部分は大きな問題点。
③展開を切る勇気のなさ
アニソンはDJにて繋がれることが想定されていない音源なので、曲同士を繋ぐのではなく一旦ぶった切って再生する勇気も求められる分野だと考えている。自分はUKベースミュージックのクラブを中心に遊んでいたため、曲をぶった斬ることにめちゃくちゃ抵抗があった。この部分を克服して、コンテクストで繋ぐ手法を今後は研鑽したい。
②繋ぎ・構成の粗さ
提出後聴き直すと見えてきた粗さ。もう1テイク撮れば修正できるものが多く、スケジュール管理の甘さがクオリティに繋がっている。
・産声とクラブ→Black Journey、後の曲の音量が小さいことを考えるとつなぎがかなり不自然、点と線のBPMが135になる部分を活用して130帯に持っていったほうが良かったかも
・Black Journey→Nightwearの部分で前の曲が消えるのが少し早い、もっとボーカルを残すべき
・more than wordsが入るところでギターリフの頭が聞こえない、ぬるっと曲に繋がっているため繋いでいる部分で消化不良感が否めない
・あ〜よかったのイントロのギターをループさせて繋いでるが、入りが早すぎる 夜空のサビを最後まで聞かせる塩梅に調整したほうが良い
・鳴り響く限りはビートがかっちりしすぎていて盛り上がってしまうので、続く話→天体図で静かに締めるほうが綺麗 もう一曲追加できる曲を検討するべき
・アイドルマスターが19曲中3曲あり、より多くの人にアプローチするため他の二次元コンテンツからも好きな曲を引っ張ってくるべきだった
③MIX作成に対する不慣れ
ほとんど即興でのDJで現場は対応しているので、1曲目/最後の曲をきちんと設定してDJするのに難航した。制作期間の7割くらいは最初の曲選び。
④余談
フラッシュバッカー - 結束バンド かけたかった.......
おわりに
ありがたいことに審査員の皆さんから高い評価を受け、公募通過に至りました。当日楽しんでもらえるよう準備してきますので、是非当日はmoleに遊びに来てください!ここまでお読み頂きありがとうございました🙏
他応募者の音源をまとめています
僕の他にも多くの人が北アニに応募し、公募音源を公開しています。私の方でまとめていますので、お時間あるときに他の方のMIXも聞いてみてください。
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